2007年02月19日

ニシキ「愛のないセックス」

つき合わないのにエッチした、はじめての相手。



初めての彼氏カズノリと3年半つきあって、別れた直後、私は傷心の中にいた。

振ったのは私の方だし、もう気持ちもなくなったものと思っていた。
だけど、毎日のように電話で話していて、毎週のように会っていた、その存在がなくなること。
もう彼のために、自分の服を選んだり、彼の好きなポニーテールをすることもないのだという喪失感は、思ったよりも大きかったのだ。

そんな時、まったく同じ状況のニシキと出会った。
ニシキも3年半つきあった彼女と別れたばかりだったのだ。

最初は、友達もふくめて何人かで遊びにいくだけだった。
そのうち友達を通して電話番号をきかれた。

初めてあったとき、「ちょっと好みかも」と思った。
でも、話してみるとあまり楽しくなかった。沈黙が多く会話もとぎれがちだった。
話の内容は、元彼のこと、元彼女のことに終始した。
失恋したばかりの寂しい男女が寄り添っていただけかもしれない。

二人きりで遊びに出かけた夜、車の中でキスをされた。

私はびっくりして「もう帰る」と言った。

私は、ニシキのことが気になっていたが、Nキが私のことを好きだとは思えなかった。

キスの後、それ以上何も言わずに、私を家まで送った。
それから、2ヶ月ほど、電話もかかって来なくなってしまった。

私は、ちょっとだけ後悔していた。
これで終わってしまうのなら、キスをして気まずく別れたりしなければ良かった。
もう一度会えたなら、もう少し先に進んでも良い。
だけど好きだとか、一緒にいて楽しいとか、そういう気持ちはなかった。
ただ何となく、気になった。
気になっている相手に、気に入ってもらえない、そんな悔しさもあったかもしれない。

私から電話をして遊びにいこうと誘った。
彼は、あのキスの後、私が怒ってると思ったらしく、電話がかかってきたことが意外だったようだ。
そして、私の誘いを断りはしなかった。

あのキスの続きをしてしまう予感があった。

そして食事のあと、この前と同じ場所でキスをされて抱きしめられた。


拒んだら、また連絡は来なくなるだろう。
そして、私はまた後悔する。あの時、エッチまでしておけば良かったかしらと。
気になるなら、確かめた方がいい。

「ホテルにいこう」という彼に着いていった。



「ノリエちゃんは、もう24歳だから大丈夫だよね?」

その時、彼の言った言葉の意味はあまりわからなかった。
エッチだけの関係でも、有りだよね。と、そういう意味だったのだろうが、
私はその時はまだ、ニシキもエッチできるくらいには私のことを気に入っているんだろうな、
と漠然と感じていた。

男性の「気に入ってる」が女性のそれとあまりにもかけ離れていることに、私はまだ気づいてはいなかった。

ニシキとのエッチは、乾いている印象を受けた。
強く求められたわけでもないし、ただ行為だけを淡々としているような感じがした。
エッチをしている時のニシキは嬉しそうだったし、その後も優しかったが、
私に対して、また、エッチ自体にも執着しているようには見えなかった。

そして、また2ヶ月ほど音信不通が続いた。

私は、今度は後悔しなかった。
ただ、時々、彼とエッチした時の感触を思い出して不思議に思った。
彼は、こんな風に思い出すことがあるんだろうか?それでも「また会おう」という風には思わないんだろうか?
私は、ふと思うときがあった。彼にそばにいて欲しいと。ただそれがエッチ自体がしたいのか、それとも求められたいだけなのかは微妙だった。
彼とのエッチが素晴らしかったとは思わない。すごく好きだとも思わない。
ただ、彼は依然として私の中で気になる人なのだ。



2ヶ月後、彼から連絡があった。

私は、トモヲとつき合うことに決めていたのだが、結局ニシキと会ってエッチをしてしまった。
それでも、これが最後と心の中で決めていた。

それはニシキにも分かっていたようで、その後2ヶ月経っても連絡が来ることはなかった。

あの時の関係がなんであったのか、私には今でもよくわからない。
友達としてニシキが大切だとか、恋愛対象としてトキメキを感じたとか、どれも違うような気がする。

そして、ニシキも私に対して、もちろん「好き」という感情もなかったかもしれないが、
騙そうとか、遊んでやろうとか、悪い感情も持っていなかったような気がする。

だから私は後悔もなく、愛のないエッチが決して悪いとも思わないのだった。
その後、騙されて遊ばれた経験をする前の、私にとって、愛のないセックスのほんの入り口。
それが、ニシキとの出会いだった。
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マサル「メールから始まった恋」2

■最後に一度だけ

「忙しい」と彼は言った。
「忙しくてメールがかけない。」
「電話は苦手だからかけない。」
「忙しくて会いにも行けない。」

「毎日12時くらいまで仕事をしてる」と言った彼の言葉は嘘ではないだろう。
だけど、私に連絡が出来ないのは、決してそれだけではないだろう。

結局、私に魅力がないから、
恋人にしようとも、友達として続けようとも思えないんだろう。
私はその事実を認めなければならなかった。

ゆっくりと、私は彼を諦めようと思った。
いつかのように彼が「好きな人ができた」と言い出す日が来ても動揺しないように。

だけど、季節が変わり、秋が来ても依然として彼は私の「好きな人」だった。
たまにメールが来ると嬉しい。
こちらからかけた電話でも声がきければ、嬉しい。
それは、変わらなかった。
そして、こうやって月に何度かでも、メールや電話で連絡を取るくらいで満足できるのなら、私はずっと彼とは連絡をとり続けようと思った。

恋の話をしてあんなに楽しかった人は他にいなかった。
彼を失いたくなかった。
いつか年を取った時にメールだけでも続いていたら、それはそれで素敵なことだろう。
そして、彼にもそれは受け入れてもらえるだろうと、信じて疑わなかった。



心の準備をしていたとは言え、それはやっぱり突然だった。

その年の最後の月に、私はたまたま思い立って彼に電話した。
彼は出なかった。

私は心配になった。
仕事が忙しすぎて倒れたんじゃないか、なんて、その頃の私は、決して「電話に出たくなかったから」なんて思いつかなない程度に、人を信じることを知っていた。

翌日メールが届いた。
「彼女が出来ました。」
今度は好きな娘じゃなくて「彼女」だった。

私には、メールするヒマもないほど、仕事が忙しいと言っていた彼が、いつの間にか、彼女が出来たと言う。
それも3週間も前に。
私の電話がなければ、一体いつ知らせるつもりだったのだろう。

私は、彼に電話をした。
そして会って話してくれるようにお願いをした。

だけど、彼はもう会うつもりもメールを続けるつもりもないという。
理由は「彼女に悪いから。」

「私に彼氏がいる時に、マサルくんと会ってたじゃない。
その時には「嘘も大切」だと言ってたのに、自分に彼女が出来たら会えないの?」
「まあ、気持ちも変わるっていうか、、、」

友達だって片思いじゃ成り立たない。私には選択権がないのだ。
彼の言うことを受け入れるしかない。

だけど、最後に一度だけ会って欲しいとお願いをした。
今まで、気持ちを無くそう、無くそうと思っても出来なかった。
何か、線引きが無いと、ちゃんと終われない気がする。

なかなか会おうとしない彼を、私は責めた。

「大切なことは会って言ってと約束したのに、どうしてまたメールで報告なのか」
「どうして、自分から言ってくれなかったのか」
「悪いと思うなら最後くらい会えないのか」


「だって、つき合ってたわけじゃないじゃん。」
彼はそう言った。

その一言は、私にとってきつかった。
つき合ってくれなかったのは、マサルの方なのに。
私は彼氏と別れてまで好きだと伝えたのに。

電話口で泣いてしまった私に、彼は「ごめん言い過ぎた」と謝った。
結果的に、彼は会ってくれることを承諾した。



それでも、最後のデートは楽しいものになった。

一年前に約束した富士急ハイランドへ。
スケートをして、フジヤマに乗った。
彼も楽しいと言ってくれた。

そして私達は二度と会わない約束をした。

彼は「メールくらいはしてもいいよ」と言ってくれた。
だけど、私が出した新年のメールに返事は来なかった。



今思えば、彼は誠実な方だった。
最後まで、ちゃんと電話に出てくれて、言い訳をしてくれた。
「もう会わない」という選択が、その頃の私には理解できなかったけど、
「ちゃんと最後に会えた」という気持ちは、思い出となって残っている。

私の「メールから始まった恋」は終わった。

■ごめんね


二度と会わない約束から一年後、マサルから再びメールが来た。
私の職場の近くに仕事で来るらしい。

私達は一年ぶりに会う約束をした。

私には、懐かしいという感情しかなかった。
会って話をしても、それは変わらなかった。
彼は、一年前につき合った彼女と今も続いてるという。

私には、つき合ってる彼氏はいなかった。

マサルは何度か私に「ごめんね」と謝った。
「ひどいことしたね、ごめんね」と。

私は何度も彼を許した。
それまでは、少しだけ彼を恨んでいたかもしれない。
つき合ってくれなかったことではなく、メールを続けてくれなかったことについて。
出会わなければ良かったと少し思った。

だけど、今ならわかる。
一番を望んでる人間を二番以下として、そばに置いておくことは、彼にとってもつらいことなのだ。

それでもこうやって一年後に再び語り合えるなら悪くない。
マサルと飲んだお酒は美味しかった。

私達は再びメールを始めたが、今度もマサルからメールが来なくなった。

それでいい、と私は思った。

彼と出会えて良かった、と、そう思えるから。
今は彼の幸せを願ってる。
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マサル「メールからはじまった恋」1

それは、まだ私が人として誰かを好きになった頃の話。
人として好きになった人と、一生関わりを持ちたいと思っていた頃の話。

■出会い

その頃の私はインターネットやメールを始めたばかりで、とにかく知らない人と話ができることが面白かった。
パソコンと言う箱が、私の打つ文字に反応して答えを返しているわけではなく、この回線の向こうに実在する誰かが答えを返してるのだ。

25歳の春、私の誕生日にマサルとはチャットで出会った。
そして、始まったメール交換。
私にとっては初めてのメール友達だった。
それは、もちろん恋愛ではなく、単なる興味でしかなかった。

夏になる前に私にはトモヲという彼氏ができた。
トモヲはマサルと同じ歳で私より三つ年下だった。
その事をマサルにメールすると、彼にも彼女がいるというメールが返ってきた。
ちょっとした世間話しかしなかったメールが突然恋の話題に切り替わった。

だが、マサルとメールで親しくなることはなかった。
メールのペースも2週間に一度くらいで、マサルの気まぐれで1ヶ月以上メールが来なかったこともある。
私はもともと文章を書くのが好きでメールも長かった。
マサルは、文章が好きというわけでは無い、スノーボードとギターが趣味の普通の男の子だから私にはマサルのメールは少し物足りなかった。
マサルと会おうという話にならなかったのは、彼の住んでるところが隣の県で、私の所からは新幹線を使わないと行けなかったことと、お互い恋人がいて、異性の友達と会うのに抵抗があったこと、そして、今ほどメールに「出会いのイメージ」がなかったことが挙げられるが、それ以前に、メールの中でのマサルに興味が持てなかったのが、一番の理由かもしれない。

それでも、「一番はじめに出来たメル友」ということでメール交換は8ヶ月続いた。

メール友達の関係が変化する局面を迎えたのは、マサルからの恋愛相談がきっかけだった。

その年の12月、マサルは彼女以外に好きな人が出来て、その人に告白するかどうか、
彼女と別れるかどうか悩んでいた。

私は、たいしたアドバイスは出来なかった。
そして、結局マサルは彼女と別れ、好きな人にも振られた。

恋愛相談中、マサルと私は電話番号を交換し、急速に親しくなった。
振られた彼を私は元気づけた。
そして、冬休みに彼が私の住んでる県に来ることになったのだ。



初めて会ったときの彼の印象は、あまり良いものでは無かった。
それは、あくまで外見という意味しかもたないけれど。
昼間に会ったが、とても夜まで一緒には居ないだろうなと思った。

だが、話してみると彼の印象は違っていた。
メールよりずっと面白い人だったのだ。
良い意味で裏切られたと言っていい。

やりたいことがいっぱいあって、興味もいろいろあって、
話好きで、一緒にいると楽しい。
結局、新幹線の終電の時間まで、飲みに行ってカラオケまで一緒にいた。

またメールする約束とまた会う約束をした。

私は彼氏とうまく行ってなかった。
彼氏と一緒にいてもケンカばかりでつまらなかった。
マサルみたいに一緒にいて楽しい人もいるのに、
どうして私は彼氏と一緒にいるんだろうと思った。

私は次にマサルと会える日を楽しみにしていた。

■恋に落ちる時

「キスは好きな人しかしないって言ったよね?」

マサルの部屋のベッドの上で、そう言われてキスされた。
出会ってから3ヶ月後のことだった。

1月にマサルと初めて会って、2月に会ったときには、
マサルを私の部屋に泊めた。
「彼氏さん、ごめんなさい。何もしません。」
そう言って部屋に入った通り、彼は何もしなかった。

私達は朝まで語り明かした。

話題は主に恋愛についてだった。
時には共感しあい、時には意見をぶつけ合った。

その時、私は「エッチよりキスの方が大切」という話をした。

それを覚えていたのだろう、3月にマサルの部屋に遊びに行った時に
マサルにキスをされて、私は「うん」と肯定した。
それは、マサルのことが好きだという意味だった。

お互い気持ちを確かめあったが、その日もキスだけで終わった。
マサルはセックスに対して淡泊な方らしい。

彼氏に対する気持ちとマサルに対する気持ちとは明らかに違った。
文字にすればどちらも「好き」という気持ちだが、
彼氏に対するそれは、長い間一緒にいることで生まれてきた「情」のようなもので、
マサルに対するそれは、紛れもなく「恋」だった。

私は、あのキスで恋に落ちたのだ。


■誕生日と決断

彼氏が居ながら、他の誰かに恋をする。
その状況にうかれてたのは、一瞬だけだった。
マサルとキスをしてしまってから私は悩んだ。

このままでいいのか?
彼氏のことを本当に好きなのか?
彼氏とは遠距離になることが確定していたが、
こんな状態でやっていけるのか?

私は、答えを先延ばしにしていた。
マサルは「好き」だと言っても「つき合おう」とも
「彼氏と別れて欲しい」とも言わなかった。

ただ「また会おう」とだけ言った。

そして、私の誕生日の一週間前に会う約束をした。
本当は「誕生日に会いたい」と言われたが、
彼氏をさしおいてマサルにだけ会うことは出来なかった。

彼氏は、九州に旅立った後だった。
私の誕生日には戻って来られないらしい。

マサルは私の誕生日を一週間前に祝ってくれた。
その時、初めて彼に抱かれた。
セックスは、してしまえば、彼氏とするのと変わらなかった。
ただキスは違うと改めて思った。

好きな人とするキスは、違うと思った。

彼氏とは遠距離、マサルとも遠距離、
同じ条件で、私は自分の気持ちがだんだん見えてきた。
このまま彼氏とつき合い続けることは出来ないと思った。

マサルに「彼氏と別れるかも」と言った。
マサルは「別れろとは言わないが、別れたら教えて」と言った。

別れても、マサルとつき合うことは期待できないと思った。
それでも、彼氏とこれ以上つき合う気持ちがなくなっていた。
他の誰かに恋してるのに、つき合い続けることが出来なかったのだ。
心の中に誰もいない状態でマサルだけのことを考えたかった。

ゴールデンウィークに二人に会って気持ちを決めた。

私が好きなのはマサル。
マサルとつき合うことが出来なくても、もう彼氏と一緒にいることは出来ない。

私は彼氏と別れた。


■好きな人

「好きな人が出来た」と、マサルからメールが来たのは、
私が彼氏と別れてから、1ヶ月も経たない頃だった。

彼氏と別れても、マサルは私と会おうとはしなかった。
メールや電話で連絡を取り合ってはいたが、仕事が忙しいことを理由に会う約束は取り付けてもらえなかった。

私は電話で「寂しい」と言った。
そうしたら、そのメールが来た。

「その好きな人とは、ノリエちゃんと同じくらいの時期に出会って、何回か遊んでるうちにだんだん好きになりました。
だけど、その娘ともノリエちゃんとも、まだつき合おうとは思ってません。」

私は、マサルとつき合っていない。
だから、彼が他に誰を好きになろうと自由だ。
いや、たとえつき合っていたとしても、人を好きになる心はとめられないのだ。

だけど、私は、ショックを受けた。
あんなにいろいろ話あったのに、朝まで語りあったのに、
そういう娘がいるんだなんて、マサルは一言も言ってくれなかった。

もしも知ってたら、私は彼氏との別れを選んでいただろうか?
もう少し、前に言ってくれたなら、私は違う選択をしてたのかもしれない。
確かに、マサルとはつき合えないかもしれないと思っていた。
だけど、彼氏とのつき合いにマサルが大きな影響を与えたことは間違いない。

いつか、マサルに彼女が出来るかもしれないと、心のどこかで覚悟していたけれど、
それまでに何度か、私は二人で会える時間が欲しかった。
お互いフリーの状態で、ちゃんと向き合いたかった。

私はマサルにメールを送った。
「ショックです。好きな人のことを言ってくれなかったことも。
 そんな大切な報告がメールだったことも。」

ちゃんと会って言って欲しかったと、私は書いた。
マサルは、それについては謝り、私がショックを受けているのを知って、「少し嬉しい」と言った。

そして、彼は好きな娘に振られた。

私達はお互いフリーな状態で会えることになったのだ。

■フリーズ

お互いフリーな状態で3回ほどデートを重ねた。
だけど、二人はつき合うことにはならなかった。

私の気持ちはマサルのことを「好き」なままだった。
だけど、心のどこかで、彼が決して手に入らないということを知っていた。
いつか来る別れを、待ちかまえてビクビクしていたのだ。

3ヶ月の間に会えたのは3回くらいだった。
デートが終わるたび、「もう会えなくなるかも」と思って泣いた。
彼は「また会えるから泣かないの」と慰めた。
その約束は3回まで有効だった。

3回目のデートの時も「また会おう」と言って別れたが、
私もどこかで覚悟していた。
もう会えなくなることを・・・。

その最後の夏のデートの時、彼は私を抱かなかった。

私達の関係は「つき合う」とも「つき合わない」とも言わず、硬直したまま。
彼からの連絡は途絶えがちになった。
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2006年12月31日

はじめに

この日記は、ノリエの過去の恋愛について語っています。

2005年2月に、2年半つきあった恋人Jくんと結婚しました。

Jくんと出会った頃から日記をずっとつけていましたが、2005年9月より長年お世話になった「さるさる日記」から移動して新しいところで書き始めることにしました。

ここには過去ログを残します。 ※まだ全部アップしきれていません。

また、Jくんと出会う前の恋愛「過去恋」も、随時アップして行きたいと思います。




私・・・【ノリエ】32歳 小さなことにくよくよ悩む兼業主婦。趣味はダンスとネット。

夫・・・【Jくん】34歳 真面目でおっとり、時々頑固な会社員。趣味はスロットと携帯ゲーム。




新しい日記はこちら

2005年9月18日ノリエ


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2006年10月05日

愉しい合コンのススメ(1)どうして合コンなの?

私が数ある「出会い活動」の中から合コンを選んで参加した理由は、多分それが一番自分に合っていたからだと思います。

「合コンには、イイオトコは来ない」とか「合コンで彼氏が出来たなんて話はあまり聞かない」と言っている人もいますが、私は今までの5人の彼氏のうち3人は合コンで出会いました。
今の夫とも合コンで出会ったのです。

でも決して合コンは「誰にでもオススメ」というわけではありません。

職場や趣味の場など自然な出会いの方が上手くいくという人もいるでしょうし、
大勢の場は苦手で、紹介してもらって二人きりで会う人の方が上手くいくという人もいるでしょう。
そういう人には、無理に合コンをしなくてもいいのかもしれません。

ただ、私は「お見合いパーティ」にも言ったし、「出会い系」も体験したし、「お見合い」もしてみました。
でも、それで結婚相手も彼氏も見つからなかったし、「自分には合わない」と実感しただけでした。

結局成果があったのは合コンだけだったのです。

私が、合コンが自分に合うと感じたのは次の点です。

「一度に複数の人に会える」

人を好きになる確率について考えたことはありますか?
私はだいたい30〜40人に一人くらいだと思います。
学生の頃はクラスに一人くらいは好きな人がいたのではないでしょうか。ということは、40人に合えば一人くらいは好きになれそうな人に会えるという計算になります。
でもこれをお見合いで実現しようと思うと40回お見合いしなければなりません。
でも合コンなら、10回です。お見合いパーティなら1回で済むかもしれません。

「その場で意思表示をしなくてもいい」

お見合いパーティでは、たくさんの人に出会えます。
一人一人と話す持ち時間が短いのには、目を瞑っても、私が苦痛だったのは、
その場で「この人を選ぶ」という宣言をしなければならない点でした。
合コンだったら、連絡先を聞いておいてとりあえず答えを先延ばしできます。
その人のことをどう思っているのかじっくり考えてメールをすればいいのです。

「複数だから安心」

私はメールでの一対一での出会いも経験しましたし、それでトラブルに巻き込まれたことはほとんどないのですが、それでも見知らぬ異性と二人きりで会うのは怖かったです。
私は、「インターネット合コン」という全く知らない人と掲示板でやり取りして合コンするということもしていましたが、こちらは複数同士なので安心でした。
変な人達が来ても友達と「変な人〜」と言い合えるので、それはそれで楽しかったです。

「自分の意志とは関係なく、次回がある(かもしれない)」

お見合いやメールでの出会いで一対一で会っても、次回会うかどうか判断するのは難しくないですか?
とくにお見合いの場合は、すごく気に入ったわけではないのに2回目会っていいのか、あるいはすごく気に入らないわけではないのに、断っていいものか私はすごく悩みました。
でも合コンの場合は、参加したメンバー誰かが「もう一度」を企画してくれることもあります。もしくは、自分で「メンバー変えてもう一度」などを企画してしまえばいいのです。
大勢で会っているうちに自分の気持ちが見えてくることもあります。すぐに結論を出す必要はないのです。



そんな理由で、私は合コンを100回くらい実践してきました。
それで実った恋が3つ。それが少ないと取るか、成果があると取るかはわかりませんが、私は無駄ではなかったと思っています。

これから、私の個人的な体験を書いていくので、参考にはならないかもしれませんが、あの頃の活動を振り返ってつづってみたい思います。
posted by ノリエ at 01:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:愉しい合コンのススメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月18日

過去恋:トモヲ「一番愛してくれた男」2

■再会

初めてつき合った男と友達関係を保ってる私には、恋人とは別れても連絡を取り合うことは普通のことだった。

だから、トモヲがそれを拒んだときに、ひどく寂しさを感じた。
「もう二度と、電話もしないし、会わない」と言う。
今思えば普通のことだが、その時の私には理解できなかった。

だけど、トモヲがそうしたいというなら仕方がない。
片方だけの望みでは叶わないことがあるのだ。
私は、「もう連絡しない」ことを渋々、承諾した。

しかし、夏が来て、連絡をしてきたのは、トモヲの方だった。
探りあうような会話をして、私たちは夏休みに会うことを決めた。

マサルとは、つき合うことにはならなかった。
マサルは一度他の人を好きになり、結局その人には振られた。
そして私のところへ戻ってきてデートをしたが、
私はもう彼を信じられなくなっていた。
たとえ、好きなことには変わりはなくても。

夏休み、羽田空港までトモヲを迎えに行った。
彼の態度は、つき合っていた頃よりも、冷たいものになっていたが、
それでも、モノレールの中でおずおずと手をつないだ。

「おかえり」と私は彼を抱きしめた。
「ただいま」と彼は私を抱きしめた。

私たちは抱き合ったが、それは寄りを戻そうと言うことは無かった。
また会う約束もせずに、トモヲは再び九州へもどった。

秋になり、トモヲの勤務先は、九州から仙台へ移った。
トモヲはたびたび連絡をくれ、秋に一度、そして冬に一度会った。
そして必ず、私の部屋に泊まった。

私は、その間、デートした男もエッチした男もいたが、
結局、トモヲ以上に寄り添える相手は見つけられなかった。

そして春、まだ寒さの残る仙台に私は彼に会いに言った。
彼は本当に驚いた顔で私を迎え、ホテルを取ってくれた。
そして7月には関東に帰ると告げた。

■告白

「寄りを戻そう」と言ったのは、私の方だった。

仙台に会いに行った時から、考えていたこと。
だが、実行に移したのは、5月も終わりになってからだった。

私には少しだけ自信があった。

彼は私の27歳の誕生日には電話をくれていた。
そして、再び結婚のことも口にした。
ゴールデンウィークにも、二人で会っていた。

ただひとつ気になったことは、冬に携帯電話のメールを見てしまったこと。
当時は、まだショートメールだった、女の子の名前入りの、、、
彼が貸してくれた上着のポケットに携帯が入ってて、見る気もなくて見た。
だけど、それは冬のこと。
私が仙台に行ったのはその後のことだ。

「もう一度つき合いたい。」
電話口で言った私に、彼は冷たく言った。
「つき合っても、また同じことでしょ。」
またケンカするし、別れるだろうと彼はそう言う。
確かに、彼とはケンカが多い。
だが、彼が冷たい理由はそれでは無かった。

「ノリエよりも大切な子がいる。」

私はみっともなく、彼を責めた。
じゃあ、どうして、仙台に来ても良いと言ったのか、
どうして誕生日に電話をくれたのか、
どうして結婚をしたいなどと言ったのか、
どうして三週間前のゴールデンウィークにデートしたのか。

言葉を重ねる私に押されて、彼はもう一度考えてくれると言った。
私と、その子とどちらを選ぶか一週間後に結論がでる。
ちょうど一年前、私が彼とマサルを天秤にかけたように。

一週間は、身体が鉛のように重く、食事も摂れなかった。
早く結果が出て欲しいと思った。
だが、出てしまえばすべてが終わってしまうような気がした。

「やっぱり、つき合えない」
それが彼の出した答えだった。
「私のことはもう要らないの?」
「ノリエも大切だけど、その子の方がもっと大切だから。」

すべては遅すぎたのだ。
私は、もう何を言ってもダメだということが分かって、彼にひとつだけお願いをした。

「最後に一度だけ会って欲しい」

7月になったら、仙台ではなく、関東地方に異動になるから、
その時に、私たちは、最後に会うことを決めた。

■彼の彼女

7月に入り、私は彼に電話した。
1ヶ月後の、夏休みに会う約束をした。
彼と彼女はまだつき合ってはいなかった。

約束の一週間前に電話して、約束の変更が無いことを確認した。

そして、一日前に電話した。
「状況が変わったから、やっぱり会えない」と彼は言った。
どうやら彼女とちゃんとつき合うことになったらしい。

「どうして?約束したのに、、、。」
「会って何するの?意味がないでしょ。」
「私にとっては意味がある。ここをケジメにして歩き出そうと思ってたから。」

「一年前、電話で別れを済ませようとしたのは君だ。
 ゴールデンウィークに会っていたのに、わざわざ九州に帰ってから電話したのはね。」
「だったら、約束する前にそう言えばいい。
 彼女とちゃんとつき合った時点で、そう言えばいい。
 前日の、しかも私からした電話でキャンセルするのは卑怯だ。」

「今じゃなきゃダメ?今、微妙な時期なんだよね」
どうやら、彼がというより、彼の彼女が私と会うことに反対なのだと分かる。
近くにいるようで、電話口で彼女の名前を呼ぶ声が聞こえた。
それは、あの冬の日に携帯メールで見た名前と同じだった。
私と会って、また「よりを戻そう」という話になるのが怖いのだろう。
そんなつもりは無かった。単なるケジメだった。
「そんなに心配なら彼女も横で見てればいい。」
「そこまで、する意味がない。」

私は、会える日を楽しみにしていた。
結局、まだ好きだったのだろう。
ちゃんと会えたら、笑って別れようと思っていた。

その日まで、私は歩き出そうとしなかったわけじゃない。
だけど、なにもかもうまく行かなかった。
それを、私はトモヲのせいにしたかった。
それだけかもしれない。

トモヲとちゃんと別れたら、私はもう誰のせいにもしないで、
一人で歩いて行ける、出会った人とちゃんと向き合える、
そう思っていた。

だから、今更、会えないと言われても困る。
もしも会えないとしたら、それに変わるケジメが欲しかった。

「私が今からするメールに一度だけ、メールを返してくれる?」
私が提案したケジメだった。
「いいよ。」

私はトモヲになんとメールしたのかは覚えてない。
だが、彼からのメールは覚えている。

「やっぱり自分に嘘はつけませんでした。ゴメンナサイ」

結局、会えなかったのは、彼女のせいなんかじゃなくて、トモヲの気持ち。
私のことはホントに要らないんだ、そう思った。

彼の知らないところで、このまま消えてしまいたいと思った。

暑い夏の日。
足元に、短すぎる寿命の蝉が転がって、それでも精一杯鳴いていた。



季節はめぐり、4月。
私は28歳を迎えていた。

トモヲから連絡が有り、再び抱きあった。
彼は、彼女とまだ続いてる。
だが、彼は再び私に何度か連絡をくれていた。

彼にとって、それはケジメだった。
私の「最後に会おう」を叶えてくれただけだと思う。

私にとっては、彼に完全に嫌われたわけではない、
それがわかっただけで良かった。
望んだことでも、望まないことでもなかった。

何も訊かずに、私は彼を受け入れた。



再び夏。
1ヶ月つき合ったシロという男から、連絡が途絶えた日に
トモヲに電話をしてしまった。

トモヲに慰めて欲しかった訳ではない。
ただ、携帯のアドレス帳を見ながら、誰かに話を聞いてもらいたくなっただけ。
それがたまたまトモヲだっただけ。

トモヲは電話に出た。
「今、彼女と一緒にいるんだ。」
「ごめん。」
私は慌てて電話を切った。

邪魔をするつもりは無かった。
彼の彼女が私という存在を気にしてることは知っている。
彼女を苦しめるつもりは無かった。

だが、トモヲから再び電話がかかってきた。
「もう電話しないって言ったよね。オレからも随分連絡してないし。」
隣にいる彼女の前に言い聞かせてる口調だった。
「そうだね、話すの1年くらいぶりだもんね。」
私も一応話を合わせた。
4月に会ったことは、無かったことにして、、、、。

「悪いけど、もう連絡しないでくれるかなぁ。
 彼女に疑われて迷惑なんだよね。」
そこで、「はい」と言えば良かったんだろうか?
だけど、私には出来なかった。
私があの時に彼に抱かれたのは、決して、
こんな風に別れるためでは、なかった。

彼が、もう二度と私に連絡をしたくないのなら、そうすればいい。
彼女の前で、私には連絡してないと嘘でもなんでもつけばいい。
どうして、私に聞かせるように、ここで言う必要があるだろう。

「悪いけど、そこまで、フォローできないよ。」
連絡しないと言っておいて、約束を破るのはいつもトモヲの方だ。
「4月に私の部屋に来たくせに、よくそんなことが言えるね。」
「何の話だか分からない。」

電話は唐突に切れた。

男と女ってなんなんだろう。
人とのつながりって。
複雑に絡み合っているようで、簡単に切れて終わる。
しかも、もつれた分、切れ味が悪い。



それから、1ヶ月もしないうちに、彼の彼女から私に電話があった。

「ごめんなさい。」
私は、反射的に謝っていた。
彼女を不安にさせたこと、本当に申し訳なく思っていた。
もう二度と彼に電話をしないで欲しいと言われるのだと思っていた。

しかし、彼女の電話は意外な内容だった。

「私たち、別れたんです。」

彼と彼女は2週間前に別れたという。
原因は、私のこと・・・ではなく、親のことだそうだが、
詳しくは訊かなかった。

彼女は、彼の携帯で、私の番号が表示されるのを見て覚えてしまったという。
そして、私に謝りたいと思って電話してきたらしい。
「ノリエさんには、本当につらく当たっちゃって申し訳ないと思って・・・。」
そこまで、彼女を追いつめてしまって、私の方こそ申し訳ない。

「彼に連絡してあげて下さい。」
と彼女は言う。

私は連絡をするつもりは、無かった。
ここで、連絡をしてもまた同じ事の繰り返しだからだ。

ほつれた糸は、ほどけなくて切れたのだ。
今更、結んでも絡み合うだけで、二度と一本の糸には戻らない。

しかし、彼女がせっかく連絡してきたので、私は一度だけ連絡をすることにした。

■本当の別れ

夏の終わりに、トモヲに電話をかけた。

思ったより、落ち込んでいないようだった。
彼女が私に電話をかけたことも聞いている、という。
私はかける言葉もなく、なにも伝えずに電話を切った。
何度も、終わろうとして、終われなかった恋愛。
ある意味、こういう終わりとも言えない終わりがふさわしいのかもしれないと思った。
私は、もう連絡することもないだろうと思った。

しかし、再び連絡して来たのは、やはり彼の方だった。

その冬、私にはダンスのサークルで知り合ったレイジという彼氏がいた。
だから、トモヲの言葉を聞いても何も感じなかった。

トモヲは春になったら、私の住む町の近くに越してくるらしい。
「君の隣に住もうか」と冗談に聞こえない口調で言う。
しかし、本気とも思えなかった。

冬の終わりに、一度だけ会う約束をした。
だが、それもトモヲにドタキャンされた。
いつか彼が言った通り、いつまで経っても私たちは同じことを繰り返すのだろう。

春がくると、私はRちゃんに振られた。
ちょうどその頃、近くに越してきたらしい、トモヲに私は連絡をした。

私は明るく「お茶をしよう。」と言った。
彼も「そうだね、連絡を待ってる。アドレスは変わってない。」と言った。

それ以来、二度と私は連絡をしていない。
彼からも連絡は無い。

あの時、私は彼の背後に女性の気配を感じていた。
それが別れた彼女であるのかどうかは分からない。
私には関係ないことだ。

今でも。
彼の電話番号はアドレス帳に残ってる。
私は意志の力で、連絡しないようにしている。
お酒が入ると、つい電話したくなる、その思いと闘いながら・・・

「会うか、会わないか」と訊かれたら、いつだって「会う」ことを選択してきた。
「連絡をとり続けるか、二度と連絡しないか」と訊かれたら「連絡をとり続ける」方を選んできた。
その事に後悔はない。

だけど、今、私が選ぶ道は彼から離れること。
同じところをぐるぐるまわっていた私の、ようやく飛び出した一歩。

それが本当の別れだった。
posted by ノリエ at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:過去恋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

過去恋:トモヲ「一番愛してくれた男」1

彼ほどの愛をくれた男を私は知らない。  
なのに、私は彼を裏切り、そして失ってしまった。

■出会い

出会った日のことを、トモヲは何度も振り返って話した。  
「初めて会った時から好きだった。」と。  
その日付まで、明確に彼は覚えていた。  
 
三年半つき合ったノリと別れてから二ヶ月たった24歳の冬、  
私は某A大学の学生との合コンに参加した。  
その中にトモヲは、居た。  
出会ったその日に、電話番号を交換して、彼は次の日から毎日電話をくれるようになった。  
 
正直言って私は、トモヲのことはなんとも思ってなかった。  
男前でキレイな顔をしているが、好みでは無かったし、  
話もそんなに面白くは、なかった。  
 
当時、私には、ナツキというエッチした男がいて  
どちらかというとトモヲよりナツキの方が気になっていた。  
だが、ナツキは私ワタシとつき合うつもりはなかったようだった。  
 
あの頃、私は思い上がっていたのかもしれない。  
三つ年下のトモヲに思われてることに。  
毎日電話をくれることに。  
繰り返される愛の言葉に。  
 
トモヲと会うのは月に1度程度だった。  
仕事をしてる私と、学生寮で規則が厳しい彼とでは  
予定が合わずに、それくらいが精一杯だった。  
 
そんな関係は半年も続いた。  
その間、ナツキとも何度か会ったが、  
いつの間にか、会うたび優しい言葉で私を口説くトモヲに  
私の心は傾いていった。  
 
つき合い始めたきっかけは、なんだったのだろう。  
ささいな言葉のやり取りだったのだと思う。  
「じゃあ、ちゃんとつき合う?」と私の方から言ったのだ。  
その前に、エッチもしていたので、とくに二人の関係は変わらなかった。  
 
ただ、私はナツキとはもう会わないことを決めたのだ。  
25歳の春だった。            


「一人暮らし」  
 
二人の生活が少し変わったのは私が一人暮らしをはじめてからだと思う。  
実家の建て替えを理由に、私は会社により近い少し都会に一人で暮らし始めた。
彼の居る学生寮からは遠くなったわけだが、  
泊まれる分、一緒にいる時間は増えた。  
 
「幸福」と呼ぶにふさわしい、その生活を私はあまり覚えていない。  
彼は当然のように隣にいて、私は疑うことなど知らなかった。  
会えるのは、多くて月に3回くらいだったが彼を信じてる私には充分だった。  
 
彼はつき合い始めても、愛の言葉を充分に私に与えてくれてた。  
「カワイイね」と言っては私の頭を撫でる(私の方が年上なのに。)  
あんなに、手放しで褒められたのは、生まれて初めてだった。  
そして、これからもないだろう。  
 
その生活は、彼が仕事で九州へ行ってしまうまで続いた。  
               
■プロポーズ  
 
彼の言葉は常に結婚に向けられて発せられていた。  
「結婚したら、あれくらいの家に住めるから。」  
「仕事をはじめたら、君が働かなくていいくらいには稼げるから。」  
エリートコースを歩いて彼には、将来が保証されていた。  
彼は何度となく私に未来を約束した。  
 
彼は、卒業したら、九州へ行くことが決まっていた。  
そして、その次には仙台、としばらく各地方を転々とするらしい。  
 
結婚しなければ、遠距離になるし、結婚すれば誰も知る人のいない土地を  
二人転々とすることになる。  
私は素直に結婚に同意できなかった。



■ケンカ、そしてもう一人の彼

トモヲとつき合い出して、初めての冬だった。
その頃、私達は、ケンカを多くするようになった。
私は、トモヲのことを本当に好きなのかどうか、
このまま一緒にいていいのかどうか疑問に思い始めていた。

時期を同じくして、私はメール友達のマサルと会うことになる。
マサルはトモヲ同じ歳(私より3つ下)で、メールを始めたのは8ヶ月前、
トモヲとちゃんとつき合う前だった。
彼は、隣の県に住んでおり、新幹線5000円分の距離がある。
会える機会など、ないと思ってた。
だが、それは冬休みという1週間の休みの間に簡単に実現してしまった。

マサルは、彼女と別れたばかりだったが、私に彼氏がいることを知っていた。
だから、トモヲに対して後ろめたくも無かったし、
たった一度の逢瀬で終わるはずだった。
たとえ、マサルといる方がトモヲといるよりか、
何倍も楽しくても、私にとってマサルは恋愛対象では無かった。

ただ世の中には一緒にいてこんなに楽しい人がいるのに、
どうして私は、トモヲと一緒にいるのだろうと思った。

トモヲとのケンカの原因でよく覚えてるのは卒業パーティのこと。
彼の大学の卒業パーティに招待されたので、私は休みを取って、
彼と一緒に行くことに決めた。

だが、そのパーティに参加するにはドレスが必要らしい。
私はドレスを持ってなかった。
最初はドレスを借りてもいいと言っていた彼だが、
途中から、ドレスを持ってる他の女の子を招待する、と言い出した。
「ドレスのことくらいで、どうして他の子を誘ったりするの?」
と、私は怒った。
「べつに彼女を連れいく決まりになってないし、パーティの何時間か一緒にいるだけだよ。」
「私はもう、休みを取っちゃったんだよ。」

結局、私があんまり怒るため、当初の予定通り、私とパーティに参加することになった。
二人で貸衣装屋に借りにいったのだが、いくつか試着して選んでいると、
「よく人の金で喜べるな・・・」と彼に捨て台詞のように言われた。

パーティに参加しようと誘ったのは彼なのに。
学校から、補助金が出るからドレスが借りられると言ってたのに。
せっかくお休みを取って参加しようとしていたのに。

結局、私は何も言わずにパーティに参加した。
料理も美味しく、それなりに楽しかったが、ケンカしたことは、
いつまでも胸に残っていた。

そのパーティの一件の後も、私たちは何度もケンカした。
彼が、女の子と映画に行ったことが発覚したり、
私がメールを返さないことに彼が怒ったり。

私は、本当に彼と一緒にいていいのか疑問に思えてきた。

一方、マサルとはまた会う機会があった。
仕事でこちらに来ると言うので会ったり、
私が彼の住む県に行ったこともある。
月一度くらいのペースで会うたびに、私は「楽しい」と感じ、
そして、いつしか「恋」に傾いて行った。


■別れ

トモヲは、卒業したら九州へ仕事で行くことになっていた。

4月、私は羽田空港で彼を見送った。
ケンカばかりしていた私たちだが、小さくなっていく彼を見送った時には、
胸がしめつけられるような寂しさを感じた。

だが、もともと頻繁に会ってはいなかったためか、
私の日常はあまり変わらず、寂しさもあまりなかった。
ゴールデンウィークに一度帰ってくることが決まっていたからかもしれない。

その頃、マサルとはお互いの気持ちを確かめ合っていた。
彼は私のことを「好きだ」と言って誕生日をお祝いしてくれると言った。
だが、私はトモヲとマサルのどちらを選ぶことも出来なくて、
結局、マサルには前の週に祝ってもらった。
その時、マサルに抱かれたが、つき合うという話にはならなかった。

4月の私の誕生日は一人で過ごした。
九州のトモヲから、バースデーカードが届いた。
トモヲは九州からも、よく連絡をくれた。
私は彼を大切に思いながら、100%彼に向けられない自分の気持ちを感じていた。

ゴールデンウィーク、私は二人の男とデートした。

私が一緒にいて楽しかったのはマサル。
これ以上、トモヲと一緒に居られないと思った。
トモヲは、まだ若い。私なんかと別れて別の人とつき合った方のがいいのだ。
そう、思った。

トモヲと別れてマサルとつき合えるとは思ってなかった。
心の底では望んでいたのだろうけど、
マサルとつき合う約束をした後にトモヲと別れるのはズルイ気がした。

ひとりになって考えたかったのかもしれない。

ゴールデンウィークが終わって、少しして私はトモヲに電話をした。
トモヲはあっさりと別れを承諾した。

そして、私たちは別れた。

26歳の春。
それが私の長く苦しい旅の始まりだと、その時の私は知らなかった。
posted by ノリエ at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:過去恋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月16日

過去恋:カズノリ「初めての男」

■つき合ったきっかけ

あの頃の私は、男の人と話すのが苦手で、ふつうに話せるのは本当に数少なくて、 カズノリはその数少ないうちの一人だった。
「ふつうに話せる・一緒にいて楽」=「好き」だったのかもしれない。
だから好きだといえば、好きだったが、恋じゃないと言えば恋じゃなかった。



つき合い始めたのは、専門学校を卒業してからだった。
「建築・インテリア」の学校で、二年間学んでいる間は、そんな風に 「楽」と「好き」の間くらいで、意識してるようなしてないような関係だった。
卒業旅行でヨーロッパを巡る間でさえ、そんな感じだったのだから、卒業して彼から電話があった時には、ひどく驚いたことを覚えてる。

「友達を、紹介したいんだけど。」
あの頃、まだ携帯電話なんてなくて、自宅への電話だった。
「ノリエちゃんの写真を見てね、ほら卒業旅行の、、、。
 友達がカワイイって言うからさ、会ってみてくれなかなぁ?」

その時、どういう気持ちになったのか、とにかく私と私の友達の女の子と
カズノリと彼の友達の4人で遊園地に遊びに行った。

その時の彼の友達っていうのが、最悪で、ルックス悪いくせに(失礼)、妙に自信満々の男で、 私に振られた後、私の友達を次々口説いては玉砕してた。
「女なら誰でもいい」的な男で、私が彼の友達ではなく彼に惹かれたのは当然かもしれない。

なぜかその後何回かカズノリと二人きりでデートする機会に恵まれ、お互いの誕生日も一緒にすごすことになった。
そして彼の誕生日に告白されてつき合うことになったのだった。



初体験の時のことはあまり、よく覚えてない。
考えてみれば初キスも彼だったわけだから、もう少しドラマがあっても良かったと思うが、三年半つきあってるうちには、それこそ何十回もしたわけで、そのうちの一回なんて、まぎれてしまってどれだか分からない。

覚えているのは、二人で熱海まで行ってなにもしなかったこと。
理由は「危険日だから」。
今なら「ゴムつければいいよ」って言われて押し倒されて終わりだが、、、。
しかも、それが通ってしまうことがおそろしい。

思えば彼もよく分かってなかったんだろうな。
実際初めての時には、「ノリエちゃん初めてなんだよなぁ」と何度も繰り返し、途方にくれた顔をしていた。
                   
■プロポーズ

初めて指輪をもらった時は嬉しかった。
それまでも彼はイヤリングやネックレスなどアクセサリーをプレゼントしてくれたけど、指輪をもらうのは初めてだった。

「今すぐじゃないけど、結婚も考えてるから」
誕生日に指輪を渡しながら、なんて最高のシチュエーション。
でもそれを聞いた当時の私の感想は・・・「困った」なのだった。(ああ、若いって恐ろしい・・・)
そして、曖昧にうなずきはしたものの黙り込んでしまった。

私はその時24歳、決して早くはない。
でも、彼との仲は三年経ち、ちょっとマンネリ気味だった。
正直「一生この人しか知らなくていいのかな?」と思ってもいた。
そして、彼と私は結婚観がかなり違っていた。
よくある話ではあるが彼は私に「専業主婦」を望み、私は働きたかった。それで言い合いになったことが何度もある。

今にして思えば、「専業主婦」として私を養うことができるなら、それはそれで立派だと思うし、結婚してから、私の思うようにズレを修正して行けなくもないとも思うのだが、、、。

当時の私は少し思い上がってたのかもしれない。
彼のイイトコロは、別れてからの方がよくわかる。
見た目はそんなに格好良くもなかったけど、背が高くてつつまれると安心するところ。
誕生日やクリスマスなどのイベントを大切にしてくれるところ。
私の希望をききながら、いろいろ提案をしてくれるところ。
ちょうどいい感じに連絡まめなところ。
だから三年半も一緒にいられたのだ。
三年半というのは今のところ破られてない私の最高記録だ。


■忙しい

彼は私とつき合ってる時に三回仕事が変わってる。
最初は設計事務所。
次がフリーター。
そして、車の営業。

私の仕事は一回も変わってない。サービス業で平日休みの半不定休。
彼と休みがあったのは、フリーターの時だけで、あとは良くて月一度程度。週一回のデートは夜だけというのが常だった。

彼が「忙しい」と言い始めたのは車の営業をはじめて一年ほど経った頃で、週一の夜のデートもままならなくなってきた。
マンネリの関係の割には私たちはそれまで週に一度のデートペースを保ってて、やっぱり一週でも会えないと、寂しく思ったのを覚えてる。
それが何週か続けてデートを断られて、電話の回数も減り、会っても「疲れた」を連発する彼に、私は、最初のうちひどく怒って、そして次第に彼を疑いはじめてい た。

(私のことが嫌いになったの?)
(他に好きな人ができたの?)

疑ってる時っていうのは本当につらい。
よく浮気されて怒るという話を聞くが、私は最初にまず泣くと思う。
そして次にすることは、多分自分を責めることだろう。
自分がどうしょうもなく価値のない人間に見えてきて、すべてを否定されたような気持ちになるのだ。
そして彼の浮気の原因は自分にあるのじゃないかと思えてくる。

幸い、彼は浮気してたわけではなかったようだが、
(私は最後までその部分の確認はしなかった。)
他に好きな人が居ようと居まいと、彼に気持ちがなくなったのだったら仕方がない。

彼に気持ちがなくなっても、一緒にいる気があるか?深く深く自分に問いかけた。

電話はどんどん減っていた。
たまに入る電話は、当時私が持っていたPHSへの留守電で、
私には彼がわざと私の留守にかけたようにしか思えなかった。
デートは1ヶ月以上していない。

私は、別れを決心した。
彼に気持ちがなくてもそばにいる自信がなかった。
私にとっては彼の気持ちがあってこその関係だった。
「話があるから時間つくってくれる?」
私から彼に電話した。
「別れるんなら、ちゃんと別れたいから・・・」

この時点で、私はまだ半信半疑だった。
本当に別れることになるとは。

私たちは三年半もつき合ってきたのだ。
「別れよう」と言って彼が簡単に「うん」と言うとは思わなかった。

そして久しぶりの再会。実際、別れ話したら私は泣き出してしまっていた。

つき合ってる三年半、必ずと言っていいほど、彼は車で私の実家まで送ってくれた。
そして、車の中で少しいちゃいちゃしてから、帰る。
彼の家まで一時間半ほどかかる。「ノリエを送った帰りが寂しい」と彼はよく言ったのだった。
今はその車の中で別れ話をしてるのだ。
運転してる時の彼の横顔が好きだったと今でも思い出せる。

だが、相手の気持ちがなくなってつき合う気がなくなったのは彼の方も
同じかもしれない。

「これからも、友達ではいるから、何かあったらいつでも連絡して来いよ。」
「・・・うん。」
「身体に気をつけて」
「・・・うん。」
「仕事がんばって。」
「・・・・。」
私も、もう泣いてすがったりはしなかった。
彼の提案を受け入れて、二人は握手をして別れた。

彼の車が遠ざかってゆくのをいつまでも見送っていた。

                   

■友達

別れた次の年始め、私は彼に年賀状を出した。
それまでの半年間は「友達でいよう」と言った割に一度も連絡を取り合わなかった。

年賀状を受け取った彼は、車とばして私の家まで、年賀状のお返しを届けにきてくれた。

「ノリエに嫌われてると思ってたから、年賀状すごく嬉しかった。」
そこから、なにが始まったわけではないが、二人は友達としてたまに連絡を取り合うようになった。

もともと、同じ専門学校だったので同窓会で顔を合わせることもあるのだが、その後、連絡をして二人で会ったこともある。

私はこのままの関係がいいと思ってる。

いつか私が結婚したら終わってしまうんだろうけど
それまで、「友達」という関係でいられたらと思う。
posted by ノリエ at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 連載:過去恋 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月11日

「産まれておいで」なんて

私は、産まれてきて本当に良かったと思ったことがないかもしれない。

もちろん、楽しかったことはいっぱいあるし、
まわりにいる家族や友達も好きな人はいっぱいいるし、
出会って本当に良かったと思っている。

毎日の小さな幸せを幸せだと感じる心も持っているつもりだ。

だからなにも、今ここで死んでしまいたいと思っているわけではない。

だけど、産まれる前に産まれたいかどうかを選べるとしたら、産まれないことを選ぶんじゃないかって思うし、
今度生まれ変わるとしたら、人間じゃなくて一日日向を探して生きる猫になりたい。

そう、たぶん私はこの地球という星は嫌いではないのだけれど、人間が嫌いで、産まれてきたことにいくらかの罪悪感を常にもっているのだ。

人間は地球にはびこるカビのようなものだ。

私の消費するいろいろなものを考える。私の排出するさまざまなものを考える。
私はそれらを補うくらいのものをつくり出せるのだろうか。
それは、私がここから消えてしまうよりも価値があることなのだろうか。
私がここから消えてしまう方が、多くのものを壊さないで済むのではないんろうか。

そして、だから私は人の命が特別な意味を持つとは思えない。
たとえば、私のお腹に命が宿ったとして、それを堕ろしてしまうことと、
私の血を吸う蚊を叩きつぶしてしまうことと、いったいどれだけの差があるのだろう。



自分が産まれて来て良かったとも思えないのに、
人間に価値さえ見いだせないのに、
この世界が素晴らしいとも胸を張って言えないのに、
これ以上人間を増やすことに積極的な気持ちにはなれるわけがない。

親の願いは叶えてあげたいし、私自身もJくんと私とそして子供という家庭に憧れも持っているのに。
私はまだ新しい命へこの世界に「産まれておいで」なんて言えない。

せめて、Jくんが望んでくれたら、私と私の子供が産まれてくることを許される気がするのに、彼は今のところ積極的でない。

きっと産めない年齢が近づく頃になって焦り始めるのは目に見えているのだけれど。
まるで20代後半に「結婚できないかも」と思って焦っていたみたいに。
posted by ノリエ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(5) | ノリエが思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お湯を沸かす

土曜日、私が仕事から帰ってくるとJくんがポットでお湯を沸かしていた。
今は、夏なのでポットはあまり使っていないのに、どうしたのだろうと思った。

「お湯沸かしているの?」と訊くと、
「カップラーメンを買ってきた」と言う。

そういえば、やかんは、洗浄中だった。

「やかんがなかったら、鍋で沸かせばいいのに」
今の時期なら、その方がポットより時間がかからないと思う。

ひょっとして鍋の場所が分からなかったのかと思ったが、
「そうか、思いつかなかった!鍋で沸かせば良かったんだね」とのこと。

「ノリエはすごいねー」と新しい発見をしたようにニコニコしている。

お願いだから、いくら料理ができなくても、鍋で沸かすくらい思いついて・・・。
posted by ノリエ at 00:00| Comment(0) | Jくん ■結婚生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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